♣ 多汗症、わきが(腋臭症)とは
多汗症とわきが(腋臭症)は同じように見えて、厳密にいうと違う症状になります。
多汗症
多汗症は、汗を出すエクリン腺をいう部分が発達、増殖しており、汗の量が多くなる症状のことをいいます。
そのため、緊張が強くなったりすると汗を大量にかき、服装ににじみ出て、黄ばみなど外見的に不都合をいいます。男性、女性を問わず、シャツのシミが増えて黄ばんでくることが多く、見た目にも不自由を感じることが多くなります。
わきが
わきが(腋臭症)は、アポクリン腺という組織から臭いの元となる汗が出て、それが、毛穴の細菌や皮脂と混ざり合うことにより、わきが特有の臭いを発します。臭いそのものは、ご自身では感じることは少なく、学校や会社の友人から臭いを指摘されるケースや、家族から指摘されるケースが多く、そこで初めて自覚する方がほとんどです。当院でも、ご自身で自覚して受診される方よりも、周囲から指摘されて受診されるケースの方が多くみられます。
多汗症、わきが(腋臭症)の両方とも当院で治療は可能となっておりますので、是非一度ご相談ください。
♣ 多汗症、わきが(腋臭症)の診察の流れ
形成外科専門医による診察により、判断いたします。脇部分の汗のかきかた、症状、臭いを判断し、①から④のどの治療法がいいかを判断します。診察時間は数分で終了し、痛みなどを伴う検査等はありませんので、ご安心ください。
♣ 多汗症、わきが(腋臭症)の治療の流れ
治療法には①から④の治療法があります。
- ミラドライ(マイクロ波)
多汗症、わきが(腋臭症)の治療器で唯一厚生省の認可を得ている治療器になります。当院でも導入しており、多汗症、わきが(腋臭症)の両方に一番効果を得ることができる治療になります。
以前ですと、手術で切開の必要性があり、術後もトラブルが多い治療でしたが、ミラドライは、切らない多汗症、わきが(腋臭症)の最新の治療です。マイクロ波を照射することにより、多汗、わきが(腋臭症)の原因となる、エクリン腺、アポクリン腺をピンポイントで照射、焼却することにより汗を抑える治療法です。両脇に麻酔を打ち、クーリングをしながら照射しますので、照射中の痛みはほとんどなく、両脇約1時間で終了します。効果も数日で実感でき、半永久的に効果が持続するといわれているので、しっかりとした治療を希望される方にはお勧めします。形成外科専門医により麻酔と照射を行いますのでご安心ください。 - 注射
汗を抑える注射を両脇にします。治療自体は約5分~10分ほどで終了します。効果は4~5日程で出てきて、約2週間で最大の効果がでます。その後ゆっくりと薬剤の効果は薄れてきますが、おおよそ3~5か月ほどの効果があります。人によりますが、春先に1度注射をして、その後夏にもう一度注射することで、汗のかきやすい時期を乗り切ることができ、日常のシャツの黄ばみなどを気にしなくてもよくなります。注射の副作用としては、注射時の痛み、内出血、腫れなどがありますが、いずれも数日で改善します。汗の量を抑えることができるので、わきが(腋臭症)の方にも効果的と考えます。
また、副作用ではないのですが、注射の効果が出たことによる代償性発汗という現象も起こることがあります。個人の汗の量は、体温調整をする目的で、その人でおおよその汗の量が決まっています。脇の汗を抑えることにより、他の部位(近隣の胸部、首)などにその分の汗が代償性に増えるという現象を認めることがあります。人によりますが、体の仕組み状ある程度の代償性発汗はある可能性があります。 - デオドラントクリーム
注射、手術まではしたくない方や、他の病気をお持ちでどうしても注射、手術ができない方は、デオドラントクリーム(制汗剤)でのフォローとなります。当院ではクリニック専売のクリームを導入しておりますので、市販の物よりも効果は実感できるかと思います。また、お子様などで施術が難しい方にもご使用いただけます。あくまでも対象療法になります。 - 漢方内服
当院では、体質改善を目的に漢方内服も行っております。しかし、③、④の治療法に比べて効果は薄く、長期間内服して初めて効果を得るものですので、こちらも対象療法になるかと思います。
わきがに対しては、効果はさらに薄いかと思います。
♣ 多汗症、わきが(腋臭症)治療の際の注意点、副作用
- ミラドライ(マイクロ波)(自費診療)
麻酔時の痛み、腫れ、内出血、瘢痕、しびれ、腕のむくみ、やけど、などの副作用があります。これらの経過は以下に表としてまとめておりますので、ご参考ください。
いすれにしましても、ミラドライが多汗症、わきが(腋臭症)の治療として一番効果のある治療法だと考えます。カウンセリング無料となっておりますので、是非お悩みの方はご相談ください。 - 注射(自費診療)
注射時の軽度の痛み、腫れ、内出血などがありますが、いずれも数日で改善します。
効果は4~5日目から出てきて、長いひとで、約5か月間持続します。効果の程度にも個人差がありますので、シーズンに1回でいい方と、人前に出る機会が多い方では2回打たれる方に分かれますが、その人の生活スタイルで判断されるのがいいかと思います。 - デオドラントクリーム(自費診療)
制汗剤で時々、かぶれてしまう方がいますが、塗布をやめていただければ数日で改善します。もしかぶれた場合でも当院では治療可能ですのでご安心ください。 - 漢方内服(保険診療)
内服を継続しないと効果は期待できないので、きっちりとした内服継続をお勧めします。
以前他の漢方などで、苦くて内服難しいという方には継続は難しいかと思いますので、他の治療をお勧めします。
♣ 多汗症、わきが(腋臭症)の治療経過、ケアに関して
- ミラドライ(マイクロ波)(自費診療)
麻酔時の痛み、腫れ、内出血、瘢痕、しびれ、腕のむくみ、などのダウンタイムがあります。これらの経過は以下に表として示しておりますので、ご参考ください。腕のしびれ、むくみが長期間続く場合がありますが、経過とともに改善してきます。
通院は施術後3日目、1週間目、1か月目の受診を指導しております。効果不十分で2回目の治療を希望される方は、2回目価格で行うことができますのでご相談ください。その際は、3か月以上間隔をあけての照射を指導しております。ミラドライ経過表
- 注射(自費診療)
通院は、施術後約10~14日目に一度受診を指導しております。その後は、経過観察とし、効果が薄れてきて、2回目の注射を希望されるときに受診を指導しております。日常生活は特に問題なく、当日からシャワー浴可、翌日より普通に入浴を許可しております。 - デオドラントクリーム(自費診療)
適宜塗布、処方なくなれば購入のため受診。 - 漢方内服(保険診療)
継続して内服。処方なくなれば受診。1か月ごとの処方となります。
♣ よくあるご質問
Q.
ミラドライ治療の効果はどれくらい持ちますか?
A.
マイクロ波で、汗の元となるエクリン腺、アポクリン腺を破壊するため、効果は一番期待できる治療です。持続期間は半永久と言われていますが、効果不十分の時は、再照射可能なためご相談ください。2回まで照射可能です。
Q.
ミラドライの2回目の治療はどのくらいあけたらできますか?
A.
1回目の照射から3か月以上あけて再照射可能となります。以前手術で治療している方も条件により、ミラドライ可能な方のいますので、まずはご相談ください。診察によりご判断いたします。
Q.
ミラドライは脇以外に照射可能でしょうか?
A.
ミラドライは脇にのみ照射可能となっております。
Q.
ミラドライと注射で迷っています。
A.
どちらも効果は期待できますが、長期的な効果を望む方はミラドライでの治療をお勧めします。ダウンタイムは少々長いですが、効果は長期的に期待できます。デオドラントクリーム、内服、注射はあくまでも対称療法になります。
Q.
ミラドライでの効果はどのくらいありますか?
A.
1回のミラドライ治療で、約80%の発汗量を抑えることが可能と言われています。1回で効果の実感が弱い方は再照射可能ですので、ご相談ください。当院では2回目の照射は、80,000円(88,000円税込)(別途消耗品代80,000円(88,000円税込))で照射しております。再照射は3か月あけて可能です。
Q.
ミラドライでの治療後、どのくらい仕事を休むべきでしょうか?
A.
照射後から日常生活には支障はありません。仕事内容にもよりますが、施術当日と翌日は仕事をしないことを指導しています。力仕事などの方は、できれば約5日間、学生などは体育の授業、部活動は1週間はしないことをお勧めします。
Q.
何歳からミラドライはできますか?
A.
基本的に成長期を過ぎた頃より可能ですが、早ければ15歳くらいから治療可能です。治療可能かどうかお悩みの方は、一度ご相談ください。
♣ 料金
デオドラントクリーム | カウンセリング無料 1本(30g)2,000円(2,200円税込) |
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漢方 | 保険適応 |
注射 | カウンセリング無料 両脇 70,000円(77,000円税込) 片側 40,000円(44,000円税込) |
ミラドライ | カウンセリング無料 両脇 【1回目】219,800円(241,780円税込) +別途80,000円(+別途88,000円税込) (チップ代、麻酔代、内服代、再診料込み) 【2回目】80,000円(88,000円税込) +別途80,000円(+別途88,000円税込) (チップ代、麻酔代、内服代、再診料込み) |
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